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kuroda912

ベチバー収穫イベントのご報告と、プロジェクトのちょこっと説明そしてSOS

カンファレンスvol.1の翌日の7月15日、恩納村にベチバーの収穫に行きました。暑い中、ご参加くださった皆さま、お疲れさまでした!




ベチバーってなんだっけ?


OSPではおなじみになってきたベチバーは、ススキやイグサに似た植物で、沖縄の青い海を守るための重要かつ効果的な対策の一つに使われます。大雨の後、泥(赤土)混じりの雨水で河口周辺の海が赤く染まっているのを見たことがある方は多いと思います。畑の周辺にベチバーを植えると、この赤土流出をかなり食い止めることができるのです。


ところが、ここで浮上するのが「誰が植えるの?」問題。畑の持ち主である農家さんが植えてもらえるといいのですが、ベチバーの苗の購入にはお金がかかり、植えるのには手間がかかる上、ベチバーが茂れば作業の邪魔にもなって、負担は小さくありません。海を守るという重要な役割を果たせたとしても、個々の農家さんだけに負担がかかる現状ではなかなか対策が広がらず、持続可能でもありません。



効果的な対策を持続可能に


そこで恩納村の皆さんが取り組んでいるのが、育ったベチバーの葉を「使える素材」として販売し、その収益を農家さんに還元することで、新しい仕事としてベチバーの植え付けをしてもらおう!というプロジェクトです。使い方として検討が進んでいるのが、沖縄の伝統行事の綱引き。かつては地域の田んぼで育った稲わらが使われていましたが、田んぼの減少で最近は地域外や海外から購入せざるを得ないそうです。この稲わらの代わりにベチバーを使ってもらうことで、海の環境保全と地域の伝統文化の両方に役立てようという実にわくわくする取り組みなのです。



OSPにできることは…?


OSPは今年度、国の事業を活用して、企業の皆さんと一緒に恩納村のこのプロジェクトをお手伝いする機会を得ることができました。農家さんに還元するため、稲わら代に少し上乗せした価格でベチバーを購入したい、その差額を協賛してくださる企業さんによる「環境と文化を守る応援企業隊」結成を目指して、まずはベチバーや赤土対策を知ってもらおう、そのために綱引きに使うベチバーを一緒に収穫してみよう!と企画したのがこの日の収穫イベントです。ようやくイベントの説明にたどり着きましたね笑 長文にお付き合いくださってありがとうございます。



夏真っ盛りの現場では


当日の7月15日は朝10時、セミの鳴き声が響く夏真っ盛りの県民の森(恩納村)に集合です。以前から恩納村と一緒に活動する企業さんやOISTからたくさんの参加があり、虫取り網を持った親子連れに外国人とにぎやかな顔ぶれです。村農業環境コーディネーターの桐野龍さんに赤土流出問題について説明してもらった後、畑での収穫組と、倉庫での仕分け組に分かれて作業を始めました。


10人弱の収穫組は、ベチバーがほどよく育った畑に移動し、恩納村の皆さんが草刈り機で刈り取っていく葉をかき集めてトラックに積み込みます。途中の水路には小さな魚やエビさんたち。ベチバーの根元からアリの大群がわっと湧いてひゃーーと驚く場面もありました。移動しながら3カ所の畑で刈り取っては積んでを繰り返すと、トラックの荷台はみるみる山盛りに。炎天下で汗だくになりながら、目測で200㌔くらいは集まったかな?ということでした。






仕分け作業に悪戦苦闘


倉庫での仕分け組は、綱に使えない太くて固い茎や紛れ込んだ雑草を取り除いて分別し、乾燥させるための棚に運びます。初めての作業に「これはOK?」「これはどうかな」と意外に戸惑い、こんもり盛られたベチバーの山の前に悪戦苦闘。クラフト用に使うため、以前に刈り取られたものをさばききる前に、午前は時間切れとなってしまいました。






アリの襲撃にouch!


午後は、ひたすらベチバーの山の仕分け作業にいそしみました。ここでは、知り合いのつてで参加された米軍嘉手納基地所属の皆さんが大活躍。せっせと仕分けをしながら、突然のスコールにベチバーの山を倉庫に移動させたり、きれいになった束をがっさり抱えてわっせと運んだり。…と、倉庫の奥から米兵の叫び声が。ベチバーに紛れたアリに腕をかまれたようです。参加していた小学生いわく「このアリは学校にもいて、よくかまれるよ~」。


野外での作業は自然との闘いです。私たちが大切だ大切だと言ってきた赤土対策は、誰かが汗だくなりアリにかまれながら積み重ねてきてくれたものなのです。そんなことを実感し「これを誰かにやってもらおうとする時に、私たちにできることは?」と大きな課題を預かりました。



お力を貸してください!


実はこの日OSPからの参加は、パートナー企業の皆さん、事務局を合わせて合計10人ほど。恩納村や、パートナー以外の皆さんの力で運営できたのが正直なところです。ベチバーはカンファレンスなどではとても盛り上がるのですが、綱引きプロジェクトを成功させ、持続可能な仕組みに育てるにはまだまだ道のりは遠そうです。皆さんに参加してもらえる仕組みをどう作ればいいのか、呼び掛けはどう工夫できるか、事務局もかなり頭を悩ませています。皆さんのアイデアやお知恵、ご協力をぜひお寄せください。県民の力で畑を囲むグリーンベルトが県内各地に普及し、大雨の後にも青いままの海を見てほっとできる未来を夢見ているOSP事務局・黒田でした。何より外での活動は楽しさいっぱい、準備くださった恩納村の皆さんに感謝しつつ、多くの皆さんとご一緒できたらと願っています。






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